FOCUS

2015/05/13 UP

Daniela Diletto <bonjour bonsoir> Art Director Interview

ダニエラ・ディレット 
<ボンジュール ボンソワール> アート・ディレクター インタビュー

Interview Natsumi Oh
Photo Ittoku Kawasaki
at bonjour records Daikanyama, 27th April 2015

ボンジュール・レコードのアパレルラインとして、2013年秋冬にスタートしたブランド、<ボンジュール ボンソワール>。4シーズン目を迎えたこの春、6年ぶりに来日したアート・ディレクターのダニエラ・ディレットと初めてのランデブー。音楽はもちろん、ファッション、アート、カルチャーのそれぞれに造詣が深い彼女に、ブランドへの思いを語ってもらった。

──まずは<ボンジュール ボンソワール>を始めることになったきっかけから教えてください。

ダニエラ・ディレット(以下、ダニエラ); 数年前、「ボンジュール・レコード」からアプローチがあったんです。今までは音楽関連のグラフィックデザインが多かったのですが、今回は「ファッションで何かやってみて」という内容でした。具体的に何かを指定された訳ではなく戸惑っても当然だったかもしれないですが、私はすぐ前向きに返事させていただきました。「ボンジュール・レコード」が日頃から大切にしている『グローバル・コミュニケーション』というメッセージに同感だったからです。「ボンジュール・レコード」はある意味コネクション・ポイントであって、世界中の様々なカルチャーをつなぐ場所です。そして、彼らの扱う商品、音楽というのは「ユニバーサル・ランゲージ」とも呼べるかと。新プロジェクト、<ボンジュール ボンソワール>では、この「ユニバーサル・ランゲージ」の力でもっと広く世界に向けて成長していけると思いました。小さいながらもシャープで強いメッセージを持ち続けていれば、必ず説得力のあるブランドに育っていくと信じてスタートしました。

──そこでメインとなる商品にスウェットを選んだことに理由があるのですか?

ダニエラ;スウェットはとてもシンプルなアイテムですよね。男性も女性も、家でも外でも、気軽に着ることが出来ます。そこには音楽と同じく、「すぐに手の届く場所にある」という素晴らしい共通点があるのではないでしょうか。

──デザインするとき、何か特定のものをイメージしますか?

ダニエラ;もちろん。製作する上で常に意識しているのはストリートカルチャーです。例えば、<シュプリーム>のようにカルチャーとのつながりが強いブランドを参考にしたりもします。彼らが扱うスケートカルチャーやカルト映画などは個人的にも近しいカルチャーです。私自身、グラフィック・アーティストとしてヴィジュアル・アートから受ける影響も大きいんじゃないかと感じています。<ボンジュール ボンソワール>のグラフィックデザインもそうですが、テーマを決める上で左右するのはいつもストリートカルチャーですね。今後もそれは変わらないと思います。

──では、ファーストコレクションで都市名を大きく載せたことにも意図が?

ダニエラ;ええ。まずファーストコレクションでは、<ボンジュール ボンソワール>の基盤となるテーマを固めておきたかったのです。それは「グローバル」であること。つまり、<ボンジュール ボンソワール>がひとつの媒体として世界中のカルチャーをつなげていくものだと。ブランドのスタートとして世界の都市をグラフィックにすることは自然に生まれた発想でした。今後、<ボンジュール ボンソワール>が様々な国やカルチャーをつなぐことになればとても嬉しいです。

──「グローバル」であるというのは、今後インターネットなどで世界にコレクションを発信していくようなことですか?

ダニエラ;実はインターネットの便利さには少し戸惑っているところもあって。インターネットで簡単に情報を入手できるのは良くもあり悪くもあり。発信する側も受け取る側もリテラシーが求められるのかと思っています。だからこそ興味ある分野に対しては、まず自らの足で情報を稼いでいくことの大切さを忘れないでいてほしいですね。そこには想像している以上の「対価」があるはずですから。

──その「対価」という点は、<ボンジュール ボンソワール>で実現されているのですか?

ダニエラ;まず実在する商品を提供している点が分かりやすい「対価」かな、と。それに加えて、<ボンジュール ボンソワール>が今まで知り得なかったカルチャーを教えてくれる「おまけ」感もあるのかも?(笑)今後もっと沢山のテーマを取り上げていってブランド自体が成長していけるといいですね。それと同時に商品の品質も改良していけたら、きっとプロダクトを手にとってくれた人達も思いがけない「対価」を得たと実感してもらえるのではないでしょうか。

──SS15コレクションでは、「Big Time」などのことばを使っていますね。何を表現しているのですか?

ダニエラ;実は、<ボンジュール ボンソワール>ではファッションブランドのようにシーズンにこだわっていないので、SSやAWなどの表現はしていません。シーズンにこだわらず、気に入ったものをいつでも気軽に着られるのがいいんじゃないかしら。だから、これは第3コレクションと呼ぶとすると、今回はブランドの「アティチュード」を表現したかったのです。実際に使われていることばをグラフィックにしてみました。ブランドのスタートはロゴデザインからも明らかなように、「吹き出し」です。メッセージを伝えていきたいという積極的な思いの表れだったのかな、と今になって改めて思いますね。

──そのメッセージとは?

ダニエラ;<ボンジュール ボンソワール>は、常に「ストーリーテラー」で居たいと思っています。「ストーリー」はテーマという形でコレクション毎に変わりますが、いつまでも変わらないのは「Be curious, always!」(いつも探究心を持とう)というメッセージです。目の前にあることに対して疑問を抱いて、自分の好奇心を刺激していくべきではないでしょうか。旅に出たり読書をしたり。そこで見つかるものはあなたの探究心を強めるでしょうし、きっと答えを探そうとすることが自分を大きく育てると思います。<ボンジュール ボンソワール>では、我々なりの「ユニバーサル・ランゲージ」を使って、様々な「ストーリー」を伝えていき、みなさまの探究心を刺激していきたいと思っています。それをきっかけにどんどん新しい世界を切り開いていってほしいと願っています。

ダニエラ・ディレット DANIELA DILETTO
<アート・ディレクター>

1976年、ドイツ生まれ。ウルム、ミラノでグラフィックデザインの学位を取得。
2001年、ミラノにマーケティングエージェント、 <GO LAB> を設立し、2006年にはアート、ミュージックセクションとして< GO GALLERY> < GO BOOKS>をスタート。エキシビジョンのキュレーションに携わり、写真家新田桂一の作品集「EVERYDAY IS LIKE A SUNDAY」を上梓。
2007年、活動の拠点をパリへ移し、<メゾン・キツネ>のスタジオ・ディレクターとしてコレクション開発を担当。
2013年、雑誌 MONOCLEのコレクション・ライン<MONOCLE VOYAGE> のディレクションをスタート。

TWITTER

Follow @bonjour_records (4746 followers)