FOCUS

2012/10/03 UP

Bonjour Brown Water by Nobuhiro Toriba

貴重で高品質なコーヒー豆2種類をリリース
鳥羽伸博氏が考える、Bonjour Brown Waterの嗜好

photo by KENTA SUZUKI text by bonjour records

 昨年10月、bonjour records代官山店内に誕生し、今年4月にオープンしたbonjour recordsルミネ新宿店にも併設されたカフェ、Bonjour Brown Water。音楽を中心としたセレクトショップでありながら、本格的なコーヒーも味わえるそのBonjour Brown Waterが、この秋、新たなコーヒー豆を導入する。今回、提供されるのは、「ハワイコナ エクストラファンシー」と「パナマ ゲイシャ」の2種類。前者はコーヒー豆の王道と言われる「ハワイコナ」の最高グレードのコーヒーであり、後者は収穫量の少ない貴重な品種で、まさに世界最高峰の銘柄とされる。そんな上質なコーヒー豆をセレクトしたのが、Bonjour Brown Waterプロジェクトに発足当初から関わっている鳥羽伸博氏。カフェや喫茶店をプロデュースする一方、コーヒー豆の自家農園も運営する鳥羽氏は、どのような志向性をBonjour Brown Waterに投入しているのか。

鳥羽伸博
株式会社バードフェザー・ノブ。ロイヤル クリスタル・カフェ、はまの屋パーラー、DOCTOR’S CAFÉをプロデュースする傍ら、ハワイで自家農園も運営。コーヒーのスペシャリストとして、Bonjour Brown Waterのコーヒー豆のディレクションにも関わっている。

──Bonjour Brown Waterが誕生して、間もなく1年が経とうとしていますが、鳥羽さんはその期間、どのような視点でbonjour recordsを見てきましたか。

「やはり、新しい挑戦という印象が強いですね。そもそも、Bonjour Brown Waterはコーヒー屋のアプローチとはまったく異なるもので、他にはあまりない店舗。だから、bonjour recordsのようなショップだったり、Bonjour Brown Waterのようなカフェ・カルチャーが定着したら、面白いだろうな、っていう気持ちは最初から大きかったですね。実際、僕らの想像とは、ちょっと違ったかたちで定着しつつあると思うんですよ」

──想像とは違う、というと。

「コーヒーが美味しい、という部分は最初から絶対的に求めていた部分なんですが、そこにいまは音楽やカルチャーが付加価値としてうまく結びついているなって。“セレクトショップ+カフェ”という理想的な場所になっていると思いますよ」

──確かに、bonjour recordsとBonjour Brown Waterの関係性に、いまや違和感はまったく感じませんね。

「Bonjour Brown Waterの発足当初に思い描いていたよりも、bonjour recordsとコーヒーが馴染んでいると僕も感じます。『自分の家の近くにあったらいいな』って、すごく思いますからね(笑)。ただ、最初はbonjour recordsのお客様にはどういったコーヒー豆がマッチするのかな、って悩む部分もありましたよ。例えば、新しいお店だと、話題性を求めるばかりに、トレンディで華やかなコーヒー豆を扱うことも多いんですよ。でも、Bonjour Brown Waterは日本人に昔から好まれているグアテマラの豆の深煎り、要はすごくトラディショナルなものを選んだんです」

──変化球ではなく、定番のもので勝負したと。

「そうなんですよ。グアテマラという王道の豆を選びつつ、そのなかでも最高級なものを使ったんです。常に流行を追う立場のbonjour recordsで、万人受けするコーヒー豆を選択するということは、結構なチャレンジだったんですけど、いま振り返ると、それがよかったのかなって。女性に好まれるだろう味とか、めずらしいものとかに目を向けたりせず、誰しもが美味しいと思うものを純粋に求めたのが、結果的にBonjour Brown Waterの魅力になったと思いますね」

──1杯1杯ハンドドリップで丁寧に抽出し、豊かな香りとコクを楽しんでもらう、という提供の仕方も本格的です。

「そこはbonjour recordsのスタッフの方々の熱意ですよね。いちからコーヒーの淹れ方を学んで、美味しいコーヒーを提供するために努力してくれた。そういう勉強熱心なスタッフの力も、Bonjour Brown Waterをここまで成長させた原動力だと思います」

──そうして1年が経ち、この秋からは新しいコーヒー豆を使用することになりましたが。

「コーヒー豆は新米と古米のように、季節が進むにつれて、徐々に個性が薄れていくんですよ。いままで使っているグアテマラも収穫したばかりの頃から比べると、半年〜1年経って、味が少し変化しているわけです。そして、同じ品種でも、去年のものと今年のものでは味も違うんですよ。そこが農作物との面白いところなのですが、豆を変えることによって、また新たな趣向を楽しんでもらえるんじゃないかと。そんなこんなで、新しいコーヒー豆に切り替えるのは最適なタイミングかなと思いますね」

──今回はどういったことを考えて、コーヒー豆をセレクトしましたか。

「まずは、これまで同様、定番のものを選ぼうと思っていましたね。その延長線上で、僕の自家農園で栽培している『ハワイコナ』を使ってもらいました。値段で言うと、じつは抜群に高い銘柄なんですけど、自家農園ということもあり値段を押さえることができるんです。僕としも絶対の自信を持って、ご提供できるコーヒー豆ですし……。特徴としては、グアテマラと同じように深煎りです。深みとコクがある品種ですね。チョコレートのような味だったり、どこか遠くの方で果実味も感じてもらえると思います」

──そしてもう一種類が、「パナマ ゲイシャ」となりますが。

「『パナマ ゲイシャ』は『ハワイコナ』よりも、もっと高級な品種に属するんです。今回の「ゲイシャ」はパナマのエスメラルダ農園というところで栽培しているんですけど、もともとはエチオピアで生まれた品種。それをパナマに持って行って植えたところ、その土壌にピッタリ合ったという。コーヒーのエリート転校生ですね。普通に考えると、コーヒースタンドで出すような豆ではないので、かなりお得だと思いますね。味で言うと、バッチリ個性がわかるものなので、ぜひ体験してもらいたいです。値段が高いだけある、というのが納得できると思いますね」

──そういったコーヒー豆のセレクトの際や、ご自身でカフェや喫茶店をプロデュースする際、どのような志向性を投影するのでしょうか。

「コーヒー豆へのこだわりをよく聞かれるんですけど、僕はコーヒー屋なので、『美味しいコーヒーを出す』ということは当然だと思うんですよ。だから、美味しいコーヒーという要素だけでは勝てないものは何か、ってことをしばしば考えますね。コーヒー屋としての僕にコントロールできない部分は何かって。それは空間、コーヒーを煎れる人、飲む人の気分などだと思うんですけど、そういう部分はプロジェクトに関わっている僕以外の人が提案するものであって、もしくは訪れるお客様が判断する部分だったりするんですよね。だから僕は、『美味しいコーヒーを出す』という使命はきちんとやり遂げて、他に関わっている人やお客様の何かしらのサポートになればいいなと。なんというか、コーヒーを飲むということにある、たくさんの要素のうちの1つになればいいな、って思っています」

──すごく自然というか、純粋なクリエイティヴの考え方ですね。

「bonjour recordsで言うと、店内でかかっている音楽やライティングと一緒だと思うんですよね、コーヒーも。あまり出しゃばりたくないというか(笑)。コーヒーを飲んでもらって、みなさんの気分がよくなったり、楽しい気持ちになることが重要だと思いますね」

☆ハワイコナ エクストラファンシー
品種:ティピカ
生産地:ハワイ州ハワイ島フルアロア
標高:500〜800メートル
精製方法:水洗式
乾燥方法:自然乾燥

☆パナマ ゲイシャ
品種:エスメラルダスペシャル(ゲイシャ)
生産地:パナマ
標高:1500〜1650メートル
精製方法:水洗式
収穫方法:すべて手摘み
乾燥方法:自然乾燥
bonjour records代官山店:1drink¥490 (10杯/日限定)
bonjour recordsルミネ新宿店:1drink¥500 (20杯/日限定)

TWITTER

Follow @bonjour_records (4557 followers)