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2012/10/16 UP

BOYS NOIZE

原点回帰と進化を求めて──
我流を貫いたニュー・アルバム発売

text by bonjour records

bonjour recordsのサポートのもと、9月7日にSOUND MUSEUM VISIONで開催された『OFF THE ROCKER & VERBAL present RAD』。そのイベントに緊急参戦を果たし、多くのクラウドを熱狂させたボーイズ・ノイズから、待望のニュー・アルバム「Out of the Black」が届いた。今作はテクノやアシッド・ハウス、エレクトロ・ロック、ヒップホップなどを巻き込み、またしても強烈なダンス・サウンドをクリエイト。さらに、スヌープ・ドッグが参加したことでも話題を呼んでいる。エレクトロの遥か先を突き進んできたボーイズ・ノイズ、その到達点とは。

BOYS NOIZE(BNR, BERLIN)
ドイツ出身のアレックス・リダによるソロ・プロジェクト。テクノ的なアプローチをエレクトロに導入したデビュー・アルバム「Oi Oi Oi」(07年)で一躍ブレイクし、続くセカンド・アルバム「POWER」(09年)もヒットを記録。ジャスティスやブロック・パーティ、ブラック・アイド・ピーズなど多様なアーティストのリミックスも手掛けてきた。また、2010年にはゴンザレスのアルバム「Ivory Tower」をプロデュース。現在はスクリレックスとのユニット:ドッグ・ブラッドを始動するなど、ダンス・ミュージック界のスーパースターとして活躍中。

──9月7日の来日公演(『RAD』@SOUND MUSEUM VISION)は、相当な加熱ぶりでしたね。

「最高にホットなバーティだったよ。みんなの熱いヴァイブスが伝わってきて、僕も汗だくだった。日本のクラウドたちの音楽を愛する気持ちは、本当に世界一だと思うね」

──今回は、最新アルバム「Out of the Black」に収録されている“What You Want”や“XTC”もプレイされていましたが、観客の反応はどう感じましたか。

「それらの曲はアルバムの先行シングルとして発表したものなんだけど、すごく手応えを感じていたね。日本だけでなく、ドイツやいろんな国のイベントでもすでにプレイしたんだけど、リスナーの反応はすごくよかった。“What You Want”や“XTC”は今後しばらく、僕のDJプレイには欠かせない曲になるだろうね」

──では、その先行シングルも含め、「Out of the Black」の制作過程を教えてください。

「今回はこれまでのアルバム以上に時間をかけたよ。制作期間はフェスの出演も控えて、クラブでのギグの本数も抑えたんだ。前作『POWER』はツアー中に作ったんだけど、いま振り返ると、集中力に欠けていたかなって。そういう反省もあって、今作はじっくりスタジオで作業したんだ。結果的に、自分のやりたいことを純粋に追求できて、すごくいい曲がたくさんできたね」

──その楽曲たちは、潔いぐらいにダンスフロア直下型のものですが。

「もっとド派手なアルバムになるだろうと予測していた人も多いみたいだね。ここ数年で交流のあったアーティストとたくさんコラボするんでしょ、ってよく聞かれたよ。だけど今回は、『ボーイズ・ノイズらしい曲を作る』ってことが命題だった。だから、参加ラッパーやシンガーのサポートを特別必要だとは思わなかったんだ。誰のためのものでもなく、自分にしか成し得ない音楽を求めたよ」

──ボーイズ・ノイズのみが作れる音楽というと。

「うまく言葉では説明できないけど、僕のなかでは、ボーイズ・ノイズの音楽観というものが明確にあるんだ。それは、サウンドが核になっているということ。実際、歌やメロディに頼ることなく、僕はあくまでもエレクトロニック・サウンドで勝負してきた。だから今回も、ラップや歌の部分はロボットの声のように加工して、サウンドの一部として組み立てた。他にも、サウンドの攻撃力やバランスを磨くことを心掛けたね」

──以前インタビューした際、「ニュー・アルバムは原点回帰が鍵になるかもしれない」ともおっしゃっていましたが。

「確かに、基本に戻りたいという気持ちが強くて、過去の自分の作品を聴き返す作業もしたよ。あの頃の楽曲は僕のスキルが足りなかったせいもあって、ラフでドライな印象を受けたね。そういう未熟だった部分をアップデートするというか、身に付けたスキルやセンスをすべて使って、より進化した音楽を作ろうと思ったんだ。あと、最近はヨーロッパの若いアーティストが作る音楽から影響を受けている。例えば、Boysnoize Recordsに所属するサイエンティスト。彼は今作で一緒に曲を作ったんだけど、まだ18歳なのに素晴らしい才能を持っているよ」

──自身のルーツと最新モードがミックスされているようなものでしょうか。

「多分、僕はいつの時代もフレッシュな刺激を求めているということかな。昔にダフト・パンクから受けた衝撃と、新世代が発するエネルギー。その両方が、僕のサウンド・デザインには影響を与えているのかもしれない。今作収録の“What You Want”はそういうミックス感のある曲で、過去のアルバム『Oi Oi Oi』と『POWER』の優れた部分が集約されたサウンドになったね。一瞬、古くさい音に聴こえるかもしれないけど、僕にとってはすごく新鮮なインパクトを与えてくれる。まさに、原点回帰と進化を同時に実現できた曲だと思っているよ」

──他に、今作にはスヌープ・ドッグをフィーチャーした“Got It”も収録されていますね。

「“Got It”は、今回のアルバムのボーナストラック的な役割だね。だから、今作のコンセプトをストレートに表現している曲ではないんだけど、ヒップホップにチャレンジしてみたい、っていう考えをずっと持っていたんだ。そんな純粋な動機にも関わらず、僕のヒーローであるスヌープ・ドックと幸運にもコラボできた。なにはともあれ、自分にとっての最高のプレゼントになったよ」

──今作は隅から隅まで、ボーイズ・ノイズのための、ボーイズ・ノイズによるアルバムになったようですね。

「結局、僕は自分に正直な音楽しか作れないんだ。前進したかと思えば、原点回帰してみたり、一筋縄ではいかないけど、その方が音楽を作る面白さがある。エキサイティングで楽しいんだ!」

BOYS NOIZE
「Out of the Black」

Boysnoize Records/Beat Records
¥2,200
now on sale

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